カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

アドレス日本一周 west[141]

投稿日:2013年4月21日

「寝だめ」はできる

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 10月29日5時、那覇の「東横イン美栄橋駅」を出発。外はまだ暗い。泊漁港に行く。魚市場の一角にはマグロがズラリと並んでいる。市場内の食堂で「沖縄そば&おにぎり」(410円)の朝食。これが最後の「沖縄そば」になる。
 市場内の店で沖縄近海産ビンチョーマグロの刺身のパック(500円)を買い、那覇港へ。岸壁にはマルエーフェリーの「フェリーあけぼの」が停泊している。窓口で鹿児島までの乗船券を買う。人が15200円、アドレスが5540円。合計20740円だ。
 6時30分、乗船。さっそく甲板に上り、オリオンのカン生(280円)を飲みながら、さきほど市場で買ったビンチョーマグロの刺身を食らう。朝日の昇った那覇の町並みを眺めながら食べる沖縄産ビンチョーマグロは美味だった。
 7時、「フェリーあけぼの」は定刻通り、那覇港を出港。一番外側の防波堤には「アジアの十字路 那覇港」と大きく書かれている。こうして25時間の船旅が始まった。
 那覇港を出ると朝寝。気持ちの良い朝寝で1時間ほどグッスリ眠った。
 本部港到着は9時。定刻通り9時20分に出港。思わず前日のフェリーに乗り損ねたシーンを思い出したが、こうして振り返ってみると、かえって乗り損ねてよかったと思えてくるのだった。これが旅。何が幸いするかわからない。
「フェリーあけぼの」が沖縄本島最北端の辺土岬沖を通過。
「またなー!」
 と、沖縄に別れを告げたところで朝寝の第2弾目。30分ほど眠った。
 12時に与論島に到着したところで船内のレストランに行き、昼食(1180円)にする。与論島を見ながら食べた。12時20分、与論島を出港。それとともに昼寝をする。朝寝に負けず劣らずの気持ちの良い眠り。1時間ほど寝た。こうして寝られるときはいくらでも寝ておくというのが「カソリ流旅の仕方」。「寝だめ」はできる。
 沖永良部島に近づいたところで目が覚める。沖永良部島到着は14時10分。行きは東シナ海側の伊延港だったが、帰りは太平洋側の和泊港だ。
 沖永良部島の次の徳之島には16時30分に到着。出港は17時。ここではすばらしい夕日を見ることができた。雲ひとつない西空に夕日が落ちていく。そして徳之島の山の端に沈んだ。夕暮れの海の向こうには加計呂麻島と奄美大島が見えている。
 日が暮れたところでレストランで「カレーライス&おでん」の夕食。おでんを食べながらオリオンのカン生(280円)を飲んだ。これが最後のオリオンビールになった。
 奄美大島の名瀬新港への入港は20時30分。暗い海には、名瀬の町明かりがまるで浮かんでいるかのように映っている。名瀬新港の出港は21時20分。それを見届けたところで眠る。「朝寝」して「午前寝」して「昼寝」して最後は「夜寝」。ほんとうによく寝た「フェリーあけぼの」での1日だったが、こうして眠りに眠って「沖縄一周」の旅の疲れをとるのだった。

第29日目:那覇→鹿児島
2008年10月29日
走行距離:0キロ(合計6,218キロ)
費用:
朝食 410円
ビンチョーマグロの刺身 500円
フェリーあけぼの 20,740円
オリオンビール 280円
昼食 1,180円
夕食 1,010円
オリオンビール 280円
合計 24,400円
総計 359,590円


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泊漁港の魚市場
マグロの競りが始まる


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朝食の「沖縄そば&おにぎり」
「フェリーあけぼの」に乗船


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沖縄産ビンチョーマグロを食らう!
那覇港に昇る朝日


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フェリーの昼食
徳之島に到着


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徳之島に落ちる夕日
フェリーの夕食


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